●クリエイターとのものづくり→P.203006本来、仏壇はこうでなくてはいけないといった形の決まりごとはないのです。その時代の建築や空間に合うように仏壇も変化してきたのです。今の仏壇の形は江戸時代後期のものに近い。だから今の時代の空間に合わなくて当然です。現在、聖なる場というのはどんな場であるべきか。重厚さは抜いて、生活空間に合うように軽やかに。仏壇をはじめて使う人にとって違和感がないようにと考えました。人が暮らすための部屋を必要とするように、仏さまが住む場所(仏壇)を持たないことはないはずです。広い住まいにするか、コンパクトな住まいにするかは自分で決めればいい。人はいつか亡くなります。限りある存在だからこそ、人が故人を想う気持ちがなくなることはない。故人を想う気持ちがなくならない以上、仏壇がなくなることはない。たとえ、それがただ四角い箱であっても、そこに気持ちがあれば立派な仏壇です。インテリアデザイナー 内田 繁「現代の空間における聖なる場として」「人が人を想う限り仏壇はなくならない」デザイン仏壇「白虹」について
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